ソーセージテクニックを極める・インプラント

水平的骨造成術の変遷と現時点での到達点

 2019年10月27日、大阪・梅田において、ハンガリー・ブダペスト開業のUrban先生が開発した、インプラント治療における水平的骨造成法の一つであるソーセージ・テクニックに関して、国内での現在での臨床応用を中心に、まる1日勉強会がありました。
 筆者も以前、都内においてUrban先生に直接ソーセージ・テクニックを2日間に渡って、直接ご教授頂きました。

骨移植材・メンブレンの選択法を材料特性から検討する

最初に歯周病専門医の赤野弘明先生が登壇し、現在の骨再生に関する代謝とその知見から、歯槽骨造成にどのような骨補填材と遮蔽膜が望ましいのかの極めて学術的な基礎からの解説が、午前中ありました。
 基本的に歯の周囲の骨の基質の有機成分はⅠ型コラーゲンであり、無機成分はハイドロキシ・アパタイトとリン酸カルシウムから構成されている。
 昨年、発売されたGCサイトランスは炭酸カルシウムが主成分であり、骨の代謝という点からは、いかがなものかという、赤野先生のご意見。
 サイトランスの開発者である九州大学歯学部の石川教授は、骨の基質は炭酸カルシウムであるというご意見であり、この点ではお二人の意見の分かれる所である。

 インプラント治療における骨造成は基本的に骨側からできるものであり、1mm程度であれば、容易に骨形成されると考えられる。
 骨膜側から上から下に骨形成されるという意見もあるが、基本は骨側から新たな骨が形成されると考えるべきである。(骨伝導)
新たな骨が出来るには、必ず破骨細胞の存在が必要であり、しかも骨芽細胞との連携により新たな骨が生じるのである。
 つまり、骨移植材は基本的に吸収され、本来の人の骨の細胞によって置換されるのが最も望ましい骨造成の治癒形態である。