シムプラント・プランニングセミナー(インプラント)
現在のインプラント治療においては「安心」「安全」な処置・治療が求められている。今回は、術前のCTによる3次元診断と治療計画のお話でする。
当院でも導入している「シムプラント」という世界的なメジャーソフトを使用してのインプラント埋入計画における適切な治療計画を考える頭のトレーニング・セミナーである。
講師は名古屋市開業の吉岡登史彰先生です。吉岡先生のお父さんはインプラント専門医では有名な方です。
Team Atlantaが提唱する基本的なインプラント埋入のプロトコールの話に続いて、実際のCTのデータから受講生が各々の経験と思考で、どこにインプラントを埋入すべきか、受講生一人1台のノートPCを用いて問題発見・解決学習していくという、極めて実践的なセミナーとなり、各自各様の成果のあるセミナーとなりました。
吉岡先生は基本的に遅延埋入をインプラント臨床の基本セオリーとしており、先月7月のノーベル・バイオケアのクリニカル・アドバイザーであるアムステルダム開業のStaas先生の抜歯即時埋入とは、全く異なる臨床思考である。
どちらが正しいかというより、これはどちらの手法にも一長一短があり、各臨床医が患者さんとのコンサルの中で決めるべきことだと筆者は考えている。
筆者はどちらかというとStaas先生の考え方に近く9割のケースは抜歯即時埋入で実施することが多い。
理由は、
- 手術が単純化でき、結果、患者さんの負担が少ない
- インプラントの治療期間の大幅な短縮が可能になることが多い
もちろん遅延埋入の長所・短所もあるわけで
- 骨の吸収や歯肉の変化を時間経過の中で確実に決めることができるので、術後の安定性に優れる
- 骨や歯肉の吸収変化を見極めるため時間がかかる
- 付随的な骨造成や歯肉粘膜手術が必要になることが多く、時間と費用がかかる場合がある。
どちらを選択するかは、患者さんと術者との間のコミュニケーションで決まると言っていいでしょう。