矯正・Frost Smileを貴方に
2019年6月26日~27日東京にて、「デイモンシステムでひとつ上のレベルの矯正治療を実現するため」にと題して、Dr.Stuart Frost先生によるセミナーが品川プリンスホテルにて開催されました。
Contents
古い矯正の臨床基準との決別
冒頭、Stuart先生曰く、私が若いころの米国の矯正専門医の駆け出しの頃の概念というのは、今から思うと考えられないような臨床基準で矯正の治療計画を立てるのが、全米の歯学部の矯正科で標準的に教えられており、例えば下顎のアーチディスクレパンシーがマイナス6mm以上なら、いとも簡単に下顎の小臼歯抜歯が決定されていた。
また、下顎前歯の位置決めも単純にレントゲンの写真(頭部X線規格写真)を基準に決めるということが行われていた。
現在は、あくまで個々の患者さんの顔の形や歯牙の配列、特に上顎前歯部がどのように見えるのかということが重点に置かれて治療計画を立てる時代に入って来ている。(Face Driven Orthodontics)
上記の概念というのは、既に20年以上も前に米国のDavid SarverやCetrin先生達が提唱していた事なんだが、日本でも歯学部の卒後教育の中で、若い歯科医師達は、古い概念のまま教育され、それを後生大事に開業してからも守り続けてしまう矯正専門医は、2019年の現在もまだ世の中には、まだまだ一杯いる。
Frost Smileとは何か
Frost先生の矯正治療計画は、全てが上顎の前歯の位置決めから始まる。
それを単純に数値から決定している訳ではなく、どのように上顎の前歯が3次元的に位置することで、より自然な口唇の見え方ゃ口唇の豊隆が達成されるのかという観点から、全ての矯正治療計画は組み立てられている。
上顎前歯の切縁がきれいに下唇のラインと一致する、この美しさは何とも言えない美しさがある。
しかも、歯肉は1~2mm程度見える状態に持ってくるというのが、のそましぃ。
この概念に最も近いコンセプトが、フィンランド・ヘルシンキ大学のZaccrison先生が提唱するSMILE Conceptである。
また、米国のCetlin先生やGreenfield先生達が提唱するCordinate Arch Development Theory(CAD)も、かなりFrost先生の概念に近い。
中顔面の発達の重要性
よく言われることであるが、縄文人には不正咬合が少なく、中顔面の発達が良好であった。
古代人は硬い物を食べざるを得ないことから、嫌でも咀嚼経路が水平に広がった、しかも力をしっかりかけて咀嚼していたために、歯の根からの刺激で嫌でも上顎が側方に大きくならざるをえなかった訳である。
つまり、縄文人は上顎を中心とした中顔面が発達せざるを得ない状況になり、しかも咀嚼経路が側方にも前後方向にもワイドということで、必然的に歯列は横にも縦にもバランス良く排列され、歯列不正が余りない歯列を獲得できたのである。
翻って、現代人を見てみると、小さい頃から、比較的柔らかい物を食べ、縄文人のような下顎をワイドに動かして、しかもしっかり力をかけて食べるという生活習慣とは異なるため、嫌でも上顎の骨の成長が悪く、中顔面の3次元的な成長が悪い。
必然的に歯は狭い骨の場所に生えてくるため、乱杭歯になったり、上顎骨の水平的な狭さのため、下顎が後方に後退して咬みあわさざるをえなくなり、上顎前突になりやすくなる。
これが、さらに進むと下顎の後退量が増大し、成人時に睡眠時無呼吸の状態を惹起しやすくなるわけである。
Frost先生の提唱する美しい口元を作る5つの鍵
- Facial balance and beauty with emphasis on the upper lip and midface.
- The correct position of the upper incisors
- Buccal arch width by upright posterior segment
- Smile Arc
- Correct Hard and Soft Tissue Contours
Frost先生が提唱する矯正臨床の6つの柱
- Facial Driven Treatment Planning
- Light Force
- Transverse Arch Development
- Brace Position
- Variable Torque
- Simple Mechanics